ちょっぴり半自伝的な医学生の青春群像。
うわぁ、これ、リアルだ。
どんな患者にも歴史があるのと同様、どんな街の片隅にもいるようなつまらない医者にだってそれなりのドラマがある。この本で出てくる4人のエピソードには、現実に同じ人生のコースを過ごした僕にとっても見過ごせないリアルさがあった。もうね、全然他人事じゃないの。なんかよんでてつらい。沁みる。傷口に。
僕にだってそれなりにそれなりのドラマ(HPに書いたものも、書けないものも)はあったわけだから。
また、主人公の4人の医学生のその後の足取りが、全然偉くなってなかったり、学生の時の欠点そのままだったりするところも、ことさらリアルだ。人間の弱さを、弱いままで、克服せずに、ただ見せないようにして、大人になってゆくのだ。
医者に対する偏見(いい意味でも悪い意味でも)をとってくれる、かもしれない。