半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

 『学校へ行こう!』マナーの猫

 パロディとして、本物と細かくディテールをあわせる作りは、僕はわりと好きです。
 佐藤B作て、とか。
 多分、問題は『マネーの虎』という番組自体がパロディされるにはちょっと弱すぎることにあるのだと思う。僕、『虎』はみないけど、『学校に行こう』みるもの。
 
 しかし、この猫と称される、マナーの伝道師たち、まったく尊敬できないのす。
 
 なぜなら、マナー自体は極めて流動的なものなのに、彼等はそれをさも普遍的真実であるかのようにとりあつかうからだ。
 前世代のマナーは、ある程度次代に受け継がれてゆく。屋根瓦のように、一世代、一世代が、次の世代に重なって、影響していくのだ。実はその時点で時代感覚からいって著しく逸脱しているものは密やかに忘れ去られてしまうのである。こうしたことが繰り返されて今の時代のマナーがあるわけで、彼等が「正解」として提唱しているマナーだって、せいぜい一世代前のものに過ぎないのである。
 複数世代以上前、たとえば江戸時代の頃に成立していたマナーは、今見ても、あまりに断絶感があり、我々が受け継ぐべきマナーとしては、成立しない。

 というわけで、彼等は普遍的な真実を教えようとしているわけではなく、n-1世代の知識をn世代にできるだけ多く伝達しようとする、運び屋に過ぎない。

 というか、病気見舞いの正しいマナーとかって、本当にそうなのか?
 むずかしいなー。
 この人達って、医師への謝礼の渡し方とかも、マナー講座しそうだし。
  (少なくとも、30年前は、そういうものは、マナーとして成立していたように思うから)