半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

ひと粒の宇宙

ひと粒の宇宙 (角川文庫)

ひと粒の宇宙 (角川文庫)

 いろいろな作家が書いたショート・ショートのアンソロジー
 別に決まったテーマがあるわけではないようだ。
 これも移動中にちょうどいいような気がして買った。

 そのとおりだった。一つ二つ心に留まるものもあるが、やはり10数枚というのは、感情の断片にすぎない。

 いや、感情の断片が悪いわけではない。問題なのは、全体として無秩序すぎることだ。無秩序であるにも関わらず、統一された一冊の本としての体裁を与えられていることが読み手の居心地を悪くするのだろう。振れ幅がありすぎるのが、この本の敗因ではないかと思う。

 病院の待合室や、滅多に来ないような別荘の書棚などにあれば、重宝するのではなかろうか。ということで実家の両親に進呈しようと思う。置き捨てて帰る、ともいうが。