半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

桜庭一樹『赤xピンク』

赤×ピンク (角川文庫)

赤×ピンク (角川文庫)

家にあった、読んでいない本。
 現在本棚の整理をしている(まあ、ずっとしている)のだが、旅先に持っていって、旅先で捨てた。

 アンダーグラウンドの女性格闘イベントに参加している女性達の話。現代をうまいこと切り取っています、的な。多分小説的には、檻は檻で、血は血で、傷は傷なんだろう。そして闘いは闘いなのである。なんだそりゃ。記号論的な読み解きをするのも野暮な、ジュブナイルノベルであった。
 演技と本気という虚構、これはプロレス論などで散々語られていることであるが、我々の日常にもそういう要素は多分にあり、きわめて普遍的な問題だとは思うのだ。
 それにしても一話目に出てきた子は、その後どうなったのだろう?

 まあ、もう読むことはないだろう。でも桜庭作品はまた読んでみようと思ったのでした。