半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

芦原すなお『青春デンデケデケデケ』

青春デンデケデケデケ (河出文庫―BUNGEI Collection)

青春デンデケデケデケ (河出文庫―BUNGEI Collection)

 映画は、大学の頃にビデオかなんかで観てえらく感動したおぼえがあります。今回古本屋で原作の小説を初めて買いました。

 あー、これいいなあ。いい世界だなあ。
 確かに、「青春」というものの甘酸っぱさが十二分に味わえる。
 ものすごいみずみずしさがある。
 そりゃ賞もとるわって感じ。
 
 逆に、原作を読むことによって、映画の作り方のうまさも再認識できました。主人公のもっさいぶりや、もっさい独白、テンポの作り方とか。また映画の方も観たくなったなあ。

 あーいい本を読んだなあと、久しぶりに満足したわけですけれども、昔姉がこの映画をすごい薦めたことがあって、その時に本も読んだような気もする。なんか、この本の手触りには憶えがあるんだな。

 まあしかし、この本でみずみずしくも描かれていた、ベンチャーズコピーバンドは全国津々浦々にあって、今でも功成り名遂げた50代から70代の人たちが「カムバック青春!」と、わっせわっせとお励みになられているわけですが、正直、リアル青春デンデケデケデケであるこの人たちのしょっぱさに、目がツーンとなることがあります。