- 作者: 新田次郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1978/02/01
- メディア: 文庫
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どうせDVDまで買ってしまったのだからと、原作本も買ってみた。
というのは、職場で「この前八甲田山買ったんですよ〜」的な話をしていたら(ま、当然話の流れは「アホやなお前なんでそんなもん買うんや」となる)、ちょっと年上の先輩が「新田次郎のか?」という反応を見せたんですよね。
そっかー自分は映画しか知らんから八甲田山と言えば「高倉健の」となるけど、リアルタイムで出てた世代にはあくまで「新田の」なんだなあと強く意識しました。
(ま、この先輩は大学時代スキー部だったりして、山岳関係好きだからかも知れません)
しかし、映画みてから原作本みると、映画は大体原作に忠実に作ったんだなということがわかりました。原作本も二時間程度でさっくり読める軽い本です。映画のノベライズかよ、とさえ思った。映画の途中にあった夏の八甲田山のイメージ映像的なもんとか、ねぶた祭りの映像とか、無いのはそれくらい。映画の制作者は、それくらいちょっと入れとかんと画面が寂しいと思ったんだろうか。ずーっと白いからね、画面。
ま、高倉健が原作ではそれほど善人ではなく、多少強引で傲慢だけれども信念を持って成功するというというキャラですから、ドラマツルギー的には全然物語構造が変わっています。そういう意味では原作の方が勧善懲悪感は薄く深みがあるような気はしました。