朝日新聞記者が書いた「アメリカ人が知らないアメリカ」 (講談社プラスアルファ文庫)
- 作者: 近藤康太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/09
- メディア: 文庫
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本のタイトルに「朝日新聞記者が書いた」あるのは「そこらのにーちゃんじゃねえんだぞ、朝日新聞記者様なんだぞ」というオーソライゼーション(つまりハク付け)が目的なんでしょう。
がっかり。 というか、愕然。
……まず、文章が読みにくい。
記者っていうからには文章のプロのはずなのだが……
小さいころから、へそ曲がりで強情だった。高校時代には不良のまねごともしたから、粗野で、少し喧嘩っ早いところもある。
「ニッポンの会社員」としては、あまり、まともな方ではない。
その反面、「変人」に対する許容量は大きい。ネジがゆるんでいる人間を、それはそれとして面白がってしまう。多少は修羅場も見てきたから、あまり物怖じしない方だろう。
アメリカで暮らした日々、自分のこの性格が、とても役に立った。
新聞社の特派員としてニューヨークに暮らした。いちおう、ニューヨークを拠点にしていたのだが、席があたたまる暇もないほど、全米を飛び歩いた。
これは前書きの一部なのだが、文章中見事に主語が出てこない。この後、前書きは3ページ続くのだが、自分のことを語っているにも関わらず、その中に一度も「私は」という一人称主語がないのだ。読んでいてとてもいらいらさせられる。
日垣隆が朝日新聞の天声人語を評して「この人は一人称を使わないのでひどく不自然な日本語になってしまう」と書いているのだが(『エースを出せ!』)、こういう書き方が朝日新聞社では正調なんだろうか。
その昔夏目漱石を擁していた朝日なのだから……好意的に考えると前出の前書きなどは「坊っちゃん」の冒頭部に似ていなくもない。日本語に関する意識は高いはずなんだがなぁと、しきりに首をひねる。
読点の打ち方も相当いらつかせる。
小さな、とても微妙なものが、徐々に、しかし確実に、変わり始めていた。
お前は、森本レオ、か?
内容には触れない。
とにかく、やたら読みにくくてかなわんかった。