現役の小説家の文章指南というのは、説得力がある。
しかも、この人はパスティーシュとか、ノリ一発というよりは極めて文体に自覚的な書き方をする人だから尚更だ。
内容も、小難しい部分はなく、極めて実践的でよろしい。
たとえばジャズの教則本とかでも、どうせすぐはわからないような楽典的な理論が載っているのと、「そういうのは他の本みて!」って、どんどんフレーズとか、アナリゼとか載っているタイプがあるけれど、この本はどちらかというと後者に近い。うん、そう、むかしジム・ホールの教則本みせてもらったことがあるけど、ああいうスタイルに近いような気がする。
実践家は「そもそも○○とは……」とか、考えないものなぁ。
どうでもいいが「おとなのための」という言葉に過剰な意味を期待してしまった。
え? おとな?
エロいの? みたいな。ばかです。