うーん、うまいなぁ。
基本的には透明感のあるけど、ほんのちょっとざらっとした声質で、MPBによくあっていると思う。そして、衒いのない声の出し方で、衒いのない歌い方だ。
たとえていうと、ノンターボの高級車って感じ。無理に声を張り上げたりせずに、でもしっかりトルクは出ているよ、といった風。いやいや、本格派ですよ確かに。
バックのアレンジはかなり普通に、手堅くまとめている。ボーカルが「メイン」でということに忠実な、副菜としての立場を全うしているようにみえる。二作目、三作目と進むにつれていろいろサウンドの面でも彼女の好みが出てくるのだと思うが、早くそういう日がこないかと期待したい。
それにしても、ジャバンとか、カエターノ・ベローソの歌が、ある種スタンダードとして消化されるんだなぁ、としみじみ。そういう所に世代を感じたりします。
あと、最近のMPBはラウンジ・ミュージックとかそういう影響か、古典盤にくらべると、低音の音圧がかなり誇張されているように思う。サブウーファーを通して聴くと、うるさいくらいだ。下のアデラと比べても、違う。