バイトが終わって、新幹線のお供に駅で購入。
感想。なんじゃこりゃ。うわーなんじゃこりゃ。
太陽にほえろの松田優作ばりに叫んでしまった。読了。ふむふむ。
19世紀の文学者の小説なのに、『たまごっち』とか『伝言ダイアル』とかガジェットに現代のものが散りばめられているために、一種不思議なメタ空間を作り出しているわけだが、こういう作り方って、バランスの取り方が難しいんだろうなと思ったりもした。
面白かった。ちょっと分厚いし、「長さを感じさせなかった」ということも全然ないが(笑)、微妙な読後感。
確かに、昔の文学者などは「純文学」だなんて哲学めいたレッテルが貼られている上に、もうみんな死に果てている。現代の我々からは死人であるのが大前提であり、どうしてもタナトスのイメージが(読む前から)付与されてしまうが、そいつらが生きていた同時代には、芸者遊びだとか、カフェーだとか、今でいう風俗のようなところにもばりばり行っていたわけである(エロス)。そういう同時代感を実感するには現代のエロスを引き合いに出した方が確かにリアルなのかもしれない。
とはいえ、昔の話だから、冒頭から最後まで、死のイメージには満ちてはいる。ふざけた部分もあるが、やはり読後は淋しい印象を受けた。でも、やっぱり、なんじゃこりゃ。
そういえば、僕が小学校の頃、学級文庫に「ペンギン村に陽は落ちて…」があったように思う。特に深い考えなく「アラレちゃんの活字の本!」という風に考えた奴が持ってきていたんだろうと思うが、当時はちょっと読んでもなにがなんだか、さっぱりわからんかった。そのことを思い出した。