- 作者: グレゴリー・クラーク,久保恵美子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2009/04/23
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面白い。
- 産業革命以後の世界は大きな外れ値で、それまでの世界は マルサスの人口論を用いた経済モデルでかなり精確に説明できるということ。
- マルサス型経済では、生産性の向上は再生産の上昇→人口の上昇という結果となるために、生存最低賃金は、長い歴史を通じて変わらない。ゆえに、むしろ一人あたりの賃金が最も高額になったのは、ペストなどが大流行した中世暗黒時代であった。
- 19世紀イギリスを始めとする欧米諸国ではマルサスのモデルから脱し、大幅な物質的生活水準の向上に成功した。変化の要因は複数あるが、ブレークスルーの根本はまだわかっていない。例えば中世がイノベーションに対するインセンティブが少なかったわけでもなく、中世を通してイノベーションは 行われ、漸進している。
- 産業革命が決定的な要因ではなく、それに先立つ1世紀前の農業生産性革命があり、そこで人口増が生じている。高所得層の再生産率が高い結果、子世代では階層の下方移動が生じる。
- マルサス経済モデルよりでモデル化出来た産業革命以前よりも今のほうが、国家間の所得格差は激烈に広がっている。開発途上国では、労働者一人辺りの生産性は、確かに低い。その理由はなにか?
いろいろ目からウロコの本でした。咀嚼するのに何度か読みなおした方がよさそうです。