買っちゃった。
うーん、くだらない。
僕も結構なダジャレ好きではあるのだが、ダジャレというのは巧緻であればあるほど、別種の悲哀感を纏い始めるということが、これでわかった。
SFには洋の内外を問わず、オチがダジャレというものがよくある。しかし、これって「SF」に関する属性ではあるまいといつも思っている。
ショートショートというジャンルとSFというジャンルは緩やかなグラデーションをえがいて混ざり合っている。同じ作家が両方に手を染めていたり、また、こうしたショートショートは真面目な作品のなかに混ぜて配置することで一層ショートショート的な効果を発揮できるから。SFというものが「純文学」に比べて一段低くみられる理由の大部分が、このショートショート性に負うのは間違いないだろうが、SF作家達はこうした蔑視こそがSF作家たらしめる賞賛と捉える傾向があり、困ったものだ。
そういった意味ではSFの負の部分を一身に凝集したような田中氏は殉教者なのであろう。SFの。
でも、個々人の行動を社会性よりも個人の「個性」として捉えがちな現代においては「殉教者」というのは「マゾ」と同義なのだが。