- 作者: 若林正恭
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2018/08/30
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オードリーの若林によるエッセイ。知人がfacebookで褒めていたので読んでみた。
うん、これは俺だ。
* *
若林は、テレビでみても、強烈な魅力を放つ異能の者ではない。かといって慈愛に満ちた常識人でもない*1。
いってみれば、自意識過剰気味の、悩める若者。
屈託のない「リア充」を遠くから眺める壁の花。やりもしないで「どうせつまんないに決まってる」とイソップの「酸っぱいブドウ」のようなマインド。
内 (自意識 )を守るために 、誰かが楽しんでいる姿や挑戦している姿を冷笑していたらあっという間に時間は過ぎる 。だから 、僕の 1 0代と 2 0代はそのほとんどが後悔で埋め尽くされている
ただテレビで売れっ子になりつつ経験を重ね悩みながら*2彼自身のマインドも少しずつかわる。
消極的に言えば、それは老いたために「こじらせ」の耐久力が落ちたからでもあるし、よく言えば、非生産的な考え方から脱出できた、とも言える。
彼のマインドや行動も徐々に変わり、徐々に「普通のこと」を楽しめるようになり、結果として現在の彼の立ち位置を楽しみ受け入れるさまが、このエッセイでは徐々に示される。それ以前には、独白が自意識過剰ゆえの居心地の悪さで占められていたことからすると、これは大きな変化だ。
「こじらせ青年」から「うけいれた中年」への、これはある種のビルドゥングス・ロマン(成長譚)といえるのではないか。
人間が狩猟生活をしていた時代に 、今居る場所から移動して新たな食料を得ようとするのがポジティブな人間なら 、移動先には予想できない危険があるかもしれないから 、移動しない方が良いと主張するのがネガティブな人間だと書いてあった
スタ ーバックスでグランデと言えなかった若い時の自分 。その自意識過剰は 、あり余る体力だよ 。
振り返って、自分。
開業医の息子であり、関西圏の国立大学の医学部、そしてジャズとか趣味として演奏する。これって客観的には、めちゃリア充ですよね?
だが、若林と同様の内弁慶自意識過剰で、モテなかったし*3、彼女とかできても、結婚しても、子供ができても、どことなく「チェリー感」がどうにも拭えない感じがするのは、なぜなんだろう。
中高一貫の男子校という出自は男女関係の人格形成にここまで悪影響なんだろうか*4。