- 作者: 五十嵐大介
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/04/30
- メディア: コミック
- 購入: 10人 クリック: 169回
- この商品を含むブログ (180件) を見る
- 作者: 五十嵐大介
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/01/28
- メディア: コミック
- 購入: 10人 クリック: 68回
- この商品を含むブログ (169件) を見る
- 作者: 五十嵐大介
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/09/25
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 五十嵐大介
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/02/16
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
浦沢直樹の『漫勉』シリーズ2は、萩尾望都を除けば、花沢健吾、五十嵐大介、古屋兎丸と、サブカル系の人にはたまらない感じのテイストのピックアップでした。この3人は、漫画というジャンルの多様性の中で総花的な選択とはいえず、ちょっと振り幅が少ないんじゃないかと思うわけですが、「漫画」をハンドクラフト・アートの方法論ととらえ、その方法論を追求する意味では、確かに興味深い作風です。
セカンド・シーズンは、漫画読みの声よりも同業漫画家(および草の根の同人漫画家)のニーズに依っているのかなあと思いました。
そんなこんなで、五十嵐大介。僕、今まで読んだことがなかったんですけども。
確かに巷間言われているように絵うまい。
ムチャクチャ絵がうまい。
それがために、デッサンに裏付けられたリアルのものを書くのに、ほとんど抵抗を感じさせない。繊細すぎる描線は、好みはあるとは思うけれど。
そのデッサン力を踏まえて、想像上のものを提示されると、ものすごい説得力がありますな。
ピカソは精緻なデッサン力を基礎に、世界の見方を独自な視点で歪めて絵を描いた。五十嵐大介は、絵の語法としては精緻なデッサンの論理性を保ったまま、「歪んだモノ」を書いて提示する。
漫画の優れているところだと思う。
魔法、というものの不思議さや、女性のもつ神秘的な部分が合わさった「魔女」というアウトサイドの存在に対し、作者でさえも、なぞめいた存在に対して深く詮索しない態度をとっている。
それがためにあまり物語として構築的な印象をうけないが、それこそが作者の志向したことなんだと思う。
読み終わって感じるなんとも「もわーん」とした狐につままれた感じが、諸星大二郎の印象に近い。