- アーティスト: 星野源
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2015/12/02
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トロンボーン吹きの端くれの私にとって、星野源はまず『Sakerock』のボーカルとしてでした。ハマケンこと浜野謙太のトロンボーンはジャズ的なイディオムではないけれども、とてもメロディアスですごくよかった。ただバンド全体としてはちょっとエッジが効きすぎていて、毎日聴くのはちょっときついかなと思ってました。すごいテンション高いトラックは、なんかヤバイクスリとかキメてんじゃない?感じがあったし。
ソロになったら『ハナレグミ』的な文脈?なのかなあ…歌詞にところどころいいところがあるけど、ハナレグミほどはグッとこないような…みたいな印象でした。最初は。
次にみたのは、広島ローカルの深夜番組で『夢の外へ』がテーマ曲になってて、これのPVが、なんとも言えない中年男(井手茂太さんというそうです)の不思議なダンスで。なんとも簡単に咀嚼できない感じを抱いていました。
あとは『地獄でなぜ悪い』の出演とか、よくみると自分の好きそうな文化圏の中で着実に地歩を進めていて。ううむあなどれないぞ星野源、と思ってましたが、その挙句に出てきたこのアルバムにはやられてしまった。もうノリノリ。
結局70-80年代のソウル、ブラックミュージックの雰囲気が私は大好きなので、もろ好みど真ん中。この祝祭感は、オザケン「LIFE」以来ですよ。
星野源、オザケン、2人とも、うすい顔、体育できなさそう、女子の保護欲をそそりそうなところとか、実際多分歌は超絶うまくはないところなど、共通する雰囲気がある。(ただまあオザケンはエリート、セレブ一家であるが、星野源は八百屋の息子で売れるまで結構苦労してる違いはある)
二曲目「weekend」のホーンセクション、「地獄でなぜ悪い」のスガダイローのキレッキレのピアノが特にオススメ。
あ、あとベースがダウンタウン浜田の息子、ハマ・オカモトなんですが、これがとても気持ちいいほどよい粘りのあるグルーブを出してます。
過去オザケン的なポジションをとりそこなった存在として、私は及川光博(ミッチー)を思うのだが、彼の場合は曲とかはダンサブルなナンバーだったが、バックトラックのグルーブが足りなかったようにおもわれる。