半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『ローマ帝国愚帝物語 (新人物往来社文庫)』新保良明

ローマ帝国愚帝物語 (新人物往来社文庫)

ローマ帝国愚帝物語 (新人物往来社文庫)

 ローマ帝国も長く続いたので、優れた皇帝もいれば、あかん皇帝もいる。
 あかん皇帝達のあかん行状を表したのがこの本。

 カリグラ、ネロ、カラカラ、コモドゥス、ヘラガバルス…、あと一人はだれだったっけ。
 いずれも、早い段階で、暗殺計画とかで殺されかけて人間不信になったりして、そこから、冷徹で衆人と距離を置き、そして暴走する。そして殺される。 その繰り返し。

 あかんくないローマ皇帝の話を読みたければ、塩野七生女史の本を読めばいい。あの人は、年季の入った小学校の女の先生が生徒に接するのと同じく、皇帝たちをきちんと評価して、しかもいいところを拾い上げてくれる。あかんところはやんわりとふれてくれる。

 この本は、ゴシップ雑誌が政治家の不祥事をおもしろおかしく書き立てる、その文体。いやそれが悪いわけじゃないけど。
 あと、あかん皇帝たちの性的に放埓なあかん生活は、あまりにも淫蕩すぎて、あんまり羨ましいとさえも思えない。島国根性?しかり、しかり。