- 作者: 氏家幹人
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/03/01
- メディア: 文庫
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文庫化にする必然性は特に見いだせないが、確かに文庫じゃないと買わない人種は存在するので(たとえば僕だ)そういう人用なのだろう。
ヤクザのルーツというか、傾奇者(かぶきもの)と言われていた人たちの心性や風習を紹介。
綱吉時代に傾奇者は大方が取り締まられ、武家における傾奇者はいなくなったが町人の侠客は残った。この侠客・六尺と言われる彼らが、おそらく現在の「ヤクザ」の源流だと思われる。みたいな話である。なるほど。
江戸時代後期にはサラリーマン化、文官化した武家に対し、むしろ町人の侠客の方が鍔迫り合いでは譲らなくなっていたらしい。ははあ、だから幕末 新撰組と京都見廻組だと、新撰組の方が強かったわけだね。
故ナンシー関女史は「日本人の血からヤンキーとファンシーは絶対に消えない」と言っていたが、当代のヤンキー成分はEXILEだろう。ということはExileに新撰組をやらせたら、きっとはまり役なんじゃないかなあ。
傾奇者にみられた「衆道=ホモ」についても詳しい。衆道は、いわゆるボーイズラブというのとは違って、組敷く暴力としての性の利用ということになるようだ。戦争中の強姦は、性欲を満たすだけではなくて、相手に屈辱感を与えるために行う(だから、時としてわざと敵国の民間人同士を衆人環視のもと交接させたりする)のと同様の力学が働いているのだろう。
しかし…精液信仰…どういうこっちゃ。