半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

ビニール・ジャンキーズ

ビニール・ジャンキーズ

ビニール・ジャンキーズ

HAHAHA!
確か、小西康陽のエッセイを読んでいて、この本を紹介していたか、Amazonかなんかで関連付けられていたか、そんなんで二年ほど前に買った。
引越しをしたことがきっかけで、本棚の地層の褶曲が生じたので、私の目に留まり、再読。

「なぜ彼らは集めるのか?」 と書いているけれども、いやはや、この人達に比べると私なんて浅いもんだと安心する。(えーと、私はCDだいたい3000枚です。LPには手を出さずに済みました)。

なにしろレコードのコレクターたちは自宅、もしくは自宅の別に広大な倉庫を借りたりしてそこに10000枚以上のレコードを集める、なんてことが当たり前の世界だ。
LPって、横置き出来ないし、とにかくかさばるし、重いからね…

 私の地域にもレコード収集家は居る。
最初に会った時には 「大体7000枚くらい」と言っていたのだが、5年も経たないうちに、気がついたら「8000枚」と言うようになっていた。ちょっとおもしろい。結構なペースで買っているということなんだなあ。ま、実情は本当は7200枚くらいが7800枚くらいになったのかもしれないけど、少なくとも年間数百枚を購入しているのはたしかだよね。
この人は、仕事場にアルテックの、昔映画館で使われていたスピーカーをどーんと置いて、パワーアンプも当然片方ずつ別々で、レコードプレーヤーは、よくわからないけどフランス料理のシェフの山高帽のような、20cm以上の高さのあるターンテーブル(多分振動とかを抑えるためだと思う)を使っている。うーん、これぞマニアの鑑である。

でも、ワールドワイドクラスのマニアはやっぱりすごい。さらに輪をかけてくだらない。

そう、レコード収集はくだらないのだ。
でも、尊敬する小西康陽氏も村上春樹氏も、レコード収集家だ。なんであんな偉い人たちが、あんなくだらないことを…

以下、抜き書き―

パットは、日本人の友だちを自宅に泊まらせたとき、その日本人が自分の家の床が抜けそうだと言っていたのを思い出す。「レコードでいっぱいの部屋の真下で寝てるから、みんなに、夜中に天井が陥没したら下敷きになるぞといわれてる。それで思ったんだ。たしかにそうだけど、それこそいい死に方じゃないかって」
ビル・イングロットはいう「CDはどれもプラスチックのケースに入っていて、基本的に見た目が同じだ。CDはコンドームをつけたセックスのようなもんだよ」
「それに詳しい奴がクラブの花形なんだ。ハービー・ハンコックなんかを聞いているという理由で女にもてたりするんだ。おれの若いころには、ハービー・ハンコックを聞いてるなんて言ったら袋叩きにされたよ」

コンドームをつけたセックス、いいじゃないですか!