半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

文字のデザイン・書体のフシギ 神戸芸術工科大学レクチャーブックス…2

文字のデザイン・書体のフシギ (神戸芸術工科大学レクチャーブックス…2)

文字のデザイン・書体のフシギ (神戸芸術工科大学レクチャーブックス…2)

これも、ウェブで評判がよかったので、Amazonにて注文してみました。
もしこの世にAmazonが無かりせば、斯の本に出会うことも無かったでしょう。しかし、まあであわなければ、それはそれで、あまり実害もないのですけれども。
 僕がいつも買う本なんて、さっぱり役に立っているんだか、役に立っていないんだか*1
 ええと、話を戻しまして。
 この本はフォント、というか活字体についての本。タイポグラフィーというのは、ちょうど医学部で生理学とか薬理学がそうであるように、デザインの分野での古典的な教養単位のひとつなんですよね。
 芸工大ですから、おそらくタイポグラフィーについての一般講義はあるのでしょうが、これは、それに加えて四人のゲストが行った特別講義をまとめたもの。

  1. 祖父江慎:現役 第一線のブックデザイナー
  2. 藤田重信:現役のフォントデザイナー@フォントワークス つねに複数の書体を開発中
  3. 加島卓:フォントデザイナー メディア論・アンデンティティ研究・歴史社会学・日本広告史を研究
  4. 鈴木広光国語学の先生(奈良女子大学准教授)出版史と印刷技術史の観点から、平仮名書体書風の変遷を研究

 一人目の祖父江慎にはとりあえず圧倒されました。アカデミックな世界と食い合わせは悪いようにも思いましたが、現役バリバリの第一線のブック・デザイナーの戦術を垣間見ることは普通できないので、そのプレゼンテーションの質量、めまぐるしさに圧倒。すげえなー。18種類のフォント混ぜてひらがな?狂ってるー。
 祖父江さんって、でもモダチョキとか入ってませんでしたっけ?あまり表にでてこないですが*2この人ものすごい経歴ですよね。

 そういうブックデザイナーのデザインのこだわりなどを見ると、ウェブ上のデザインなど、所詮は付け焼刃であるな、と思いました。
 最近僕もおうちのデスクトップパソコンにSafari入れてみましたけど、ものすごい表示が綺麗なんですね。あれをみると、優れた音楽家が音程の狂った音楽を許容できないように(byねじまき鳥)デザインとか気になる人がウィンドウズじゃだめなのわかるわー。そりゃデザイナーはマックやわーっつーことですわな。

*1:そんなことを考え出すと、最終的に「自分が生きていることに意味があるのか?」というところまで行き着いてしまうので考えないようにするわけです。多分、ないから、意味は。

*2:もちろんいわゆるサブカル界では超有名だけれども