一度見捨てたCDが、人生の新たな局面で別の意味を持ってくるというのはよくあることです。
- アーティスト: Charlie Byrd
- 出版社/メーカー: Ojc
- 発売日: 2001/05/22
- メディア: CD
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まー、「ちゃんと聴く」CDとして聴くと、一言で言えば、退屈なCDです。
例えば、Art Blakey & the Jazzmessengers "A Night In Birdland"を驟雨とすれば、これは軒を少し濡らすさみだれのようなもの。若者の僕はこのCDにはジャズにあるこうした「瞬発力」がまったくないという点で、このCDを「聴く価値なし!」と断じ、あまり聴かない奥の棚にしまいこんだのでした。
しかし以前も書きましたが、現在の職場ではBGMをかけているわけなんですけれども、そういう観点でみると、このCDはほぼ100点満点なんですよ。過度なドラマ性もなく、音のコントラストも付きすぎず、耳障りなところが何もない。そうして、改めてふと耳を止めると、Charlie Byrdがやろうとしている繊細なことが耳に入ってくる。びよーんとかきならすCharlie Byrdの音色が体の斜め後ろから染み入ってくるんですね。意外と聴きあきないんですよ。
何か(単純作業的なこと)をしながら聴くCDとしては非常に優れもので、お勧めです。
あと、ジャケもいい。戸棚の奥にしまいこんで、手放せなかったのは正直にいうとこのジャケの美しさ故でした。