- 作者: 山本文緒
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/09/02
- メディア: 文庫
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どうして私はこんなにひねくれているんだろう―。乳がんの手術以来、何もかも面倒くさく「社会復帰」に興味が持てない25歳の春香。恋人の神経を逆撫でし、親に八つ当たりをし、バイトを無断欠勤する自分に疲れ果てるが、出口は見えない。現代の“無職”をめぐる心模様を描いて共感を呼んだベストセラー短編集。直木賞受賞作品。
以上棒読み。今さらですが。
確かにこの人、心理描写というか人間関係の描写がえらく繊細で細かい部分まで共感させられるわけですが、その細やかな神経とテクニックを、全然建設的な方向に着地させないところが、ちょいと「え?え〜〜、まあ小説だからいいんだけどさ」って気にさせられる。
別に癒し系の甘い話を期待して小説ってものを読むんじゃないんだけどさ、なんでわざわざ金払って、現実にもあるような人間関係のストレスフルなんを疑似体験せないかんのじゃ。
あーでも最後の焼鳥屋の若主人の話は、ラストちょいとハッピーな感じでよかったなあ。村上春樹の『神の子供達は皆踊る』のハチミツパイの話のような、ほんのりしたハッピーさではあるが。