- 作者: 浅田次郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2000/10/01
- メディア: 文庫
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ええ話やとも思う。しみじみしました。
現在の医療にとって重要なことも語られているとも思う。患者から見た一方的な視点に過ぎるきらいはあるとしても、やはり理想、というものは高く持ちたいものであるから。
理想というのは、実現しにくい高みにあるからこその理想であるから。
ただ、浅田次郎の小説は、おっさん向けの少女漫画のようなものにみえて仕方がない。
エロ漫画の主人公が理由なくもてて女性が服を勝手に脱ぎだして性交を迫ってくるように、彼だけに都合がよくお話が進む。小説世界の中で、彼と、それ以外の登場人物との間の非対称は、絶望的にリアリティがなく、この小説が、社会的な分別があると思われている中年層に好んで読まれているとは俄には信じがたいものがある。
都合よすぎだろうよ。
こんな、自己愛まるだしの、客観的な視点に欠けた小説が流行するのか。
こんなん読んでいる奴に「漫画なんて読むのは止めなさい」なんて説教されたくないよな。