半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

池波正太郎『剣客商売』

剣客商売 (新潮文庫―剣客商売)

剣客商売 (新潮文庫―剣客商売)

剣客商売は、面白いなあ。
ふと折に目にした『十番斬り』ではまって、今頭から読み始めているわけですが、ためになるわけでもなく、自分を高めるわけでもなく、ただ書に淫するといった感じではあるが、実に楽しい。

小兵衛の「食えないおやじ」っぷりに、にやにや。

ところで、我々の世代が連想する「食えないオヤジ」っつったら誰だろうか。
自分的には「機動警察パトレイバー」の隊長なのだが、どうだろう。

 大学の先輩に、二十歳そこそこで池波正太郎をほぼコンプリートしている人がいた。よく彼の家に入り浸ったものの、その頃は池波正太郎には全く食指が動かなかった。でも、今池波を楽しく読む自分がいる。これが年をとるっていうことなのかなあ。音楽とかでもそういうことはよくあって、機が熟していない時にスルーしたものが後になって面白さをます、そうした螺旋状の自分の成長は、人生の醍醐味の一つなのかなあとしみじみする。