半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

レイモンド・チャンドラー『プレイバック』

 とあるアルバイト先の近くにはフランチャイズじゃない古本屋がある。GW中はいつもより道が混むのじゃないかと思ってちょっと早く家を出たところ案に相違して全然混んでいず、早く着きすぎてしまい、バイト開始までの時間をつぶすために前前から入ってみたいと思っていたその店に入って100円均一コーナーで買い求めた本の一つ。

 はまぞうでは画像は表示されませんが、ページ下のリンクにあるような、かっちょよい今時の画像なんかではなく、昔の創元推理文庫によくある、妙に不安感をあおられるおどろおどろしい表紙です。おまけに百円均一コーナーにあるような本なので状態もよくなく、ページは黄ばんで一部赤茶けたかびがついていたり、ほこりのためか、持った後、手が微妙にさらさらします。

 「長い別れ」とこの「プレイバック」を買って、短い方から読み始めたら、長い別れの方が前作だった。失敗した。しかし、前を読んでおかないと成立しない続編ではなくて安心。

 なんか、変な読後感だった。フィリップ・マーロウは、なんか歳をとって、だんだん頑固親父になっていくような感じがする。
「金はいらねえ」みたいな言動だって、ハードボイルドゆえの所作というよりは、短期な老荘期の人間の怒りっぽさのような行動のようにも思われるのだ。

 しかし、「強くなければ生きていけない…」の、あの有名なせりふが引用ではなく出てくるのをみると、やはり感慨がありますな。まるでニューヨークに行って、自由の女神像を見たような(って、ほめてねえ!)