- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/12/09
- メディア: 文庫
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時間つぶしにはなったが、正直にいえば、「なんじゃこりゃ」という一言につきる。
中二病よろしく、妄想が発展していくわけであるが、さすが京大だけあり、妄想も比較的お行儀がよく、それほど破綻するような荒唐無稽さもない。
妄想が、実行されるわけでもなく、実に腰砕けである。たしかに腰砕けである書生じみた面白さというのはたしかにあるが、それにしても、この作品については私には面白さがわからなかった。細かいところはいろいろ面白いところもあるのではあるけれど。
MBCことモリミ・バンブー・カンパニー*1というのはくだらなさすぎてちょっと笑ってしまったが。
森見氏の公式Blogにも、この美女と竹林の話は載っている、
http://d.hatena.ne.jp/Tomio/20101207
当初、登美彦氏は「竹を刈る」という斬新なテーマの連載エッセイに挑んだと主張していたが、そのような気配は開巻早々消え失せる。
そこから先に広がるのは恐るべきぐだぐだ世界である。
読む人はその凄絶なぐだぐだぶりに戦慄するであろう。
というようなことを書くと、「ぐだぐだの頂点を極めることによりかえって面白い作品になっているのではないか」と好意的に解釈してくれる心優しい人があるかもしれない。
そういう人はステキにぐだぐだな人である。
たしかにね。
しかしこのBlogのデザインもこの竹林デザインであったりして、
この本が、最も飾り気のない氏の実相をあらわしているのかもしれない。
*1:森見氏が、竹刈りで実業家として成功する妄想の中に出てくる