- 作者: いしいしんじ
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2000/12/01
- メディア: 単行本
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僕はいしいしんじさんよく知らなくて、『人生を救え!』での町田康との町歩き対談
http://d.hatena.ne.jp/hanjukudoctor/20060425 で、「コットセイ君が」とか飲み屋でいうているのを、声が大きいからと町田康にたしなめられているイメージしかなかったんです。町田氏にたしなめられる人、というのは、一体どんな人かと、今にして思えば偏見があったね。いやぁ、全然予想外でした。
いい話だ。
読むことで、エネルギーをとられるというか、与えられるというか、感情的な振幅が大きい、というのが自分にとってのよい本なのです。
姉の視点から語られる弟の話。いわゆる平凡な家庭ではなくて、特殊な環境なんですけれども、その家族の中のなんともいえないほっこりした雰囲気は普遍性がある。
そして弟の語る不思議な話。明らかにこの話のキモは弟の語るという形に仮託された、いしいしんじ作の不思議な話で、これらがこの小説のトーンを決めている。
ステキなほら話たち。切り落とされた足の断端を見ているような気持ち。