大学の食堂でごはんを食べようとして、一万円札しかなかったので食券販売機で買うことができず、面倒くさかったので売店にあった本を適当に購入。
テレビなどのマスメディアは事実を表しているのではない。彼等の流す情報はシンボルと記号の組み合わせによって再構成された現実に過ぎない。しかし、マスメディアの情報をただただ無批判に取り入れるのも、逆にあんなものはくだらないといって単に全否定するのも間違っているということなのね。それを判断することをメディア・リテラシーというらしい。
で、具体的にどうするかというと、「敵を知り己を知れれば、百戦危うからず」といった感じに、教育現場などでCMなどを作らせたりして模擬的なプレゼンテーションをさせたりすることによってメディアが用いている手法を分析できる力を養う、と、そういうことらしい。
うーんなるほど、よくわかった。面白いよ。
しかし、一番重要なのは、この本はそういう教育の現場の(北米が多い)紹介に徹していることで、実際のメディアリテラシーの手法を教えてくれる本ではないということなのだ。
ワールドロップの『複雑系』と同じで、当該事象そのものを書いているのではなく、当該事象に関わっている人達の様子を書いているので、暇つぶしの観点からはあまりおもしろくなかった。