2004-06-13 ドナルド・キーン『碧い目の太郎冠者』 book 古本屋に処分するために再読。 アメリカ人であるが、ぶつぶつと日本紀行でいわゆる「外人」に対する日本人の態度に、陰気な愚痴を繰り延べている様は、英国人的気質を想像させる。もっともキーン氏はそういうステレオタイプのアメリカ人像は、進駐軍として来ていたアメリカのむしろ労働階級によって形成されたものではないかと、となかなか手厳しい。変容しつつある日本の都市景観に対する慨嘆は、和辻らのそれと遜色ない。