半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

荒俣宏『知識人99人の死に方』

知識人99人の死に方 (角川文庫)
そのまんま。臨終の際のいろいろ名鑑。
 人の人生を起承転結で表すと、死というのは「結」なわけで、結を中心に物語りを編み直すとこうなるのか、というのは新鮮。結が中心であると、起承はさらりと語られる。

 こうしてみると、知識人の人達、意外と長生きである。80代、90代はごろごろ。それと、昔の話なので、「急性心不全」とか「急性呼吸不全」などの身も蓋もない病名が新鮮。今、こうした病名を死亡診断書に書くと、怒られるだろうなー。当時の医療レベルが偲ばれる。

 人生模様としては、稲垣足穂が、やはり抜きん出ている。ひどすぎー。