半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『泣く男』山田芳裕

泣く男―山田芳裕短編集 (アクションコミックス)
 と、いわれても何のことやらという感じですが、『デカスロン』や『巨砲(だっけ?)』の人です。短編集。

 いつもながら、動きの描写は本当にすごい。たとえば、ディズニーアニメのフルモーションピクチャーに対して、手塚アニメ伝統のコマ数は少ないものの『タメ』の利いた動きってあるじゃない?あれって、きっと手塚漫画からのアニメへのフィードバックなわけですよ。そしてそういうアニメの表現は、また新たな漫画における新しいダイナミックな表現を作る。
 この人の作品はそういったアニメと漫画とのポジティブフィードバックの結果、定向進化を繰り返した果てにあるような描線です。
 デカスロンとか、基本的に割とストレートなバカ系ストーリーが多いですが、この短編集ではちょっと味のある佳品も見られました。意外。