半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

ドカ食いダイスキもちづきさん

Web漫画で出ていた時に、まあまあ目に触れていて、楽しく読んでいたけれど、新刊で発売された時に買った。

これ、すごいよね。うーん、すごい。
ホラー感がすごい。
halfboileddoc.hatenablog.com

以前読んだ「日本をゆっくり走ってみたよ」のホラー感に、読み味として似ている。

ドカ食い。
私も大量の炭水化物をまずまずのスピードで食う習慣が、特に仕事始めた初期の段階で身についてしまったので*1
この、血糖値上昇、多分インスリンとかインクレチンとかそういう消化管ホルモンや、血糖値・中性脂肪の血液中の激変の嵐の作用か、眠くなったり特殊な状況に陥る感じは、わかる。

多分、サ道における「ととのう」みたいに、言語されてない体内変化を、きちんと描写しているのは、すごい。描写がリアル。

この女史の人格造形も、あまり対人折衝が苦手で、ストレスコーピングをこうした食行動依存にて解消するという典型的なタイプ。
アルコール依存症の人もこのタイプ多い。
フィクションなのに、依存症の描写がやたらリアルだな…と思った。モデルいるんか。

これ、20代だからいいけど、この生活続けて30代後半になったら、えらいことになるで……と思った。
あと、こういう作品が世に出て、この現象が言語化されたら、これを追体験する人も増えるんじゃないかなあと思う。サウナの「ととのう」と同じで、ラベリングされたら認識される。そして一定数はこの罠に耽溺しちゃう。
生活習慣病を診る一内科医師として、ちょっと嫌な作品がでちゃったな……と思う。

とはいえ、ドカ食いを作品にしちゃうクリエイティビティは素晴らしいとは思ったよ。

*1:早飯、早グソが尊ばれたのである。昔は