半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『Branding本質から学ぶ付加価値の意味』

経営者的なえらげな立場で「人の話を聞きますよ」ってえな態度でいると、なんか色々本とかが手元に届く。
これも、多分、対面営業の証券会社の人が呉れたもの。

ちなみに私はこういうビジネス本を読みまくるマン。
その私の目には、この本は何を言いたいのかがわからない本だった。
読みやすいのは読みやすい。
 それに一つ一つのエピソードは経営のモデルケースになるような話を取り上げている。
 そういうのが続く。
 別にそんなに悪い本でもないような印象。
 しかし、通読した時に、おそろしいほど、なんにも残らないのである。

これは、私の勝手な想像だが、この作者に、読者に絶対に届けたい内容が、ないのではないか?
内発的動機が乏しく、熱量が少ないのだ。
小節単位ではコードに即したソロを演奏しているけど、全体を通して聞くとよくわからない、二流のビバップ奏者のアドリブのような印象を与える。

おそらく、ゴーストライティングした時点で、もう少し大胆に編集を行い、メッセージを明確にしておいたらこういうことにはならなかったんじゃないかと思う。戦略を熱意のない他者に委ねたら、おうおうにしてこうなる。

* * *

多分、この本は「ビジネス業界の毛づくろい本」のいい例ではないかと思う。
おそらくだけど。
著者は社長で、コンサルタント歴もあり、話すのはかなり得意な方。
コンセプトに基づいて語ってもらった内容をゴーストライターが書いて一冊の本に仕立て上げたような印象。
僕のところにも回ってくることからもわかるように、ある程度お付き合いのある企業に配本する前提でロットを見込んでいる。
だから、商売としては「まわる」。ビジネスとしては手堅い。

ただ、ではこの本がだめかというと、そうとも言い切れないのかも。
私はどちらかというと視覚優位の人間。 だからこういう感想になるのかもしれない。
しかし、俯瞰でみると印象が薄くなるという欠点も、例えばこの本を「オーディブル」読み物としてインプットしたら、むしろすんなり入ってくるのかもしれない。そんな感じはある。

参考:

ブランディング」に関する本、自分の中では結構読んでいたはずだけれど、意外にBlogにはあげていない。
なんだろう、咀嚼しにくいのか。
halfboileddoc.hatenablog.com
Bリーグに関する本。

積読の中にはこれがあった。

halfboileddoc.hatenablog.com
halfboileddoc.hatenablog.com
この辺も付加価値に関する言及があるやつ。