古典的名著と言われているこれ、ちょっと前に読んだ。
日本銀行の筆者が、国連の依頼をうけて、独立したばかりのルワンダの中央銀行の総裁を命ぜられてルワンダ中央銀行総裁を勤める日記。
もちろん、ノンフィクション。
まずなにより、文章がいい。簡潔にして要を得ている。
今のようにPCで文字を書く時代でもなく、紙余り時代ではないので、ダラダラと書いたりせず、昔は文章の密度が濃い。
その時代の香りがする。
読み味からすれば、ジュリアス・シーザーの『ガリア戦記』や荻生徂徠などの読み物に近い明晰さがある。
そして、要職に任命された誇りや、専門職の矜持、しかしアフリカの実情に対する落胆、しかし差別主義者でもなく、貴族主義者でもない公平な視点。
そういったものが短い文章の中に折り込まれており、気持ちがよい。
それはそうと、アジア・アフリカ会議の時代、植民地が続々と独立した黎明期、一から官僚組織を作り上げるのはどれほど大変だったことだろう。
日本は、明治維新の前にも文民・官僚機構があったわけだから、新しい行政組織への移行にはずいぶん有利であったんだろうなあと思った。