半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『十字架のろくにん』

報復もの。最近こういうリベンジものとか多いですけれども。


この作品では、中学生の主人公がいじめ抜かれた挙げ句に、家族を放火で焼き殺されてしまうところから始まる。
押見蓮介の作品にも似たようなのがあったかも。
halfboileddoc.hatenablog.com

そして、陸軍中野学校出身のヤバい祖父と組んで復讐を始める。

あとは「うわー……」の連続。
まだ、続いているけど、どうなるんやこれ。

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まあ少年誌だから、こういう描写になるのは仕方がない。
中学生・高校生でここまで残虐なもんだろうか…と思うけど、たしかに中学生高校生って視野が狭く、他者視点に欠ける。
がゆえに、人間の中ではもっとも残虐な頃ではないかと思っている。『蝿の王』は小学校から中学生くらいだったかな?『漂流教室』も残虐描写ありましたね。

もしタイム・リープしても、中学校時代にはあまり戻りたくないなあと思う。
周りも狭量だったと思うし、自分も全然未完成な人間だったからだ。全員が余裕がないわけですからねえ。

だからそういうのに苦しんでいる自分の子供をみていても「無理ないよ…今のそのスクールジャングルほどキツいところはそうないから安心して」と言いたくなる。

露悪的で残虐な拷問描写などは、大西巷一の『乙女戦争』『ダンス・マカブル』とか、そういうのにも通じるものがある。
まああれは拷問という事象を通じてエロスとタナトスの微妙な感情を喚起させる作風で、少し誘導する方向が違うとは思うけど……

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それにしても主人公氏、結構物語の序盤で警察に目をつけられているので、そのなかで大胆に復讐を敢行するのは、ちょっとプロット的に無理がありすぎるんじゃないの?とは思った。もっとDeath Note夜神月をみならわないと…
とは思いました。