ちょっと話題になっていた本(僕も読みだしたきっかけは"dマガジン"にとりあげられていたから。)
自己啓発的な意味合いも強いけれど
「ビジネスマンって効率がとか、目標達成とかいうてますけど、人生そのものをきちんとみわたした方がいいんじゃないですか?」
みたいな話。
確かに社会人一年目にとってはまず一人前に仕事ができるようになるのが先決で、読む本はそういう即効性のある本になりがち。
そして、年齢が進むにつれて、いずれは「社内の人間関係をうまいことする本」とか「マネジメントをうまいことする本」とかそういう本を読んでいく。だけど基本的にはその都度その都度そのステージにおける短期的な目標に対する解決ということでこういうビジネス本は作られている。
中長期的なライフプランをどういうふうに作っていくか、というのは、案外わかりやすいものがない。
例えば結婚して子供もできて、みたいな、一般的な社会人のコースを歩む場合は、たいていその道中にある目先の課題に追いまくられて、気がついてみると社会人の半ばを終えてしまっていた……なんてことはよくある。
むしろ僕も含めて大部分の人がそうかもしれない。
結局自分の人生をどう歩むかという視点は、各人のお好みに任されていたりしがち。
そういう中長期的な「生き方」について、考えるきっかけをなるかもしれない、この本。
ビジネスマン10年目以降の人には、先達というロールモデル以外にはモデルがないのですが、そういう実例以外に、普遍的なあるべき道を示してくれるのは、珍しいと思います。
しかし文中で示されるのは、まあ、シンプルといえばシンプルすぎるシェーマ。
図式化をせずとも当たり前やん、とも思える。
しかしそれでも敢えて図式化することによって見えてくるものもある。
「コロンブスの卵」的なやつです。
自分も46歳。
こういう人生全体を俯瞰するような話も、なんとなくわかるような年にはなってきました。
ただ、人生ってやつは、巻き込まれて予想外のことが起こって、一息ついてみると、駆け抜けていた……みたいなのが一番楽しいのかもしれない。人生最良のある期間を振り返ると、そのときは必死に生きているだけのような気がする。振り返るといい思い出、みたいな。
ひとかどの人物になる、とかの場合は、ハイスコアを叩き出さないといけないだろうけど、死ぬまでにひどく困窮しなければ人生成功と今の僕は思っているので、まったりと楽しむのは、それほど難しくもないのかもしれない、とは思った。
ただ、それなりにハイスコアを叩き出している人が、人生をうまく着地させるためには、この"Well-Being"みたいな概念を取り込まないと、Well-doingのままで突っ走ってしまうと客死してしまうのかもしれない。*1
以下、備忘録
・A or B もしくは A and B (総取り)のジレンマ。後悔のないフルライフなんてない。
・戦略家の仕事は「重心」を発見すること
・To DoではなくTo Feelの振り返りが必要
・時間戦略の本質は Well-beingとWell-Beingの重心を見つけること
・すべてはコンセプトからはじまる。そしてコンセプトを作るには高い創造性が求められる
・直感・大局観・論理
土曜始まりのカレンダーを作るというTipsはなかなか面白いと思いました。
*1:そういう人は結構いる