オススメ度 90点
うんうん度 100点
『テルマエ・ロマエ』で有名になったヤマザキマリ。
学校卒業してからすぐヨーロッパに渡り、画家になり、そこからエッセイ+漫画家になっている彼女。
国際的な視点が豊かなコスモポリタンである。
年代としても、自分と大きくは変わらないようで*1、「気があうなあ」という感想を抱く。
本としては、不思議の国、ニッポン。byポール・ポネ、みたいな感じの『日本人てここが不思議』みたいなやつ。
この手の『床屋政談的比較文化論』って、
- 日本に住んでいる外国人が、日本人のことを語る
- 海外在住の日本人が、「〜では」とその国(大方日本人が憧れる欧米に在住)の「出羽守」となって語る
というパターンが多いのだけれど、
ヤマザキマリは『長く海外に住んだ日本人が、日本人のことを再評価する』という視点。
この視点は、なかなかないよね。
村上春樹の紀行文か伊丹十三のエッセイが、読後感が近いかもしれない。
ただヤマザキマリさんの文は角がたたない。
そう、ヤマザキマリさんって、淡々としているけど包容力があるよね、と思う。
人柄を感じさせ(別にすげーいい人でもないと思うが、悪い人でもない、自分を偽らない感じ)安心感がある。
怒られるなら、こういう人に怒られたいなと思う。上手に淡々と怒ってくれそうだ。
個人的には、『トレーディングカード』にはまった息子に、教育上あんまりなあ……といって、オリジナルトレーディングカードを作ってやる話がツボでした。(蚤の市で、意外に売れた結末なども笑)
*1:と思ったら7歳年上だった。若さと円熟さが混在している年代ではある