オススメ度 80点
題名でブレがある度 100点
トップの教養 ビジネスエリートが使いこなす「武器としての知力」
という、バズワード、SEO対策もバッチリなタイトル。
だが、厳密にいうと、「教養」と「知力」というのはだいぶ違うものである。
その辺の定義が曖昧なのは、教養ある人にとっては容認し難いものだと思っていたのだが…
(そういう意味でこれは入門向けの書籍なんだろうなとは思う)
とっかかりの面で嫌味をいってしまったが、本の内容はしごく全うなもの。
現代のビジネスでも、古典教養と言われているエッセンスはめちゃめちゃ役立つで。という。
人のやっていることなんて、2000年前から大して変わっていないわけだから、これは至極当たり前のことだ。
そして先人の叡智を知っているのと知らないのでは(自転車の再発明!)全然アウトカムも変わってくる。
という話。
最後に、瀧本氏の思い出、この本ができるまでの個人史はムネアツでした。
やはり人が世に出て行く時にはいろいろなステップや出会いがある。
あと色々な参考文献も、孫引きしてみようと思いました。
以下、備忘録
- 専門家の前提知識をあなどるな
- トップは言葉で未来を示せ(ex.織田信長の天下布武と楽市楽座)
- 政治家の役割は官僚を叱りつけること
- 小林中
- 「立身出世」は誰かが決めた100点に向かって勉強した結果で、それは中間管理職にすぎない。トップエリートではない。日本の高級官僚は中間管理職の分際でトップにたったつもりになっている人たち。
- 現状主義者の跳梁跋扈は亡国の基
- 韓非子とマキャベリ
- 世界の歴史をみてもマキャベリストに限ってマキャベリズムを否定する。
- トップにしかできないこと1:平時と有事の切り替え、2:情報の最終的評価、3:決心、4:戦機を捉える
- プライドが高いという印象を振りまいておけば、いざという時に土下座を高く売れる
- 東條英機と杉山元
- 号令→命令→訓令の使い分けが大事