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知人と話すと、ステイホームの時期とか何してました？とかだったり、最近面白いことあった？とかだったり。
そんな中、「最近は海苔に贅沢しています」という話をきいた。
まあ他の衣食住では贅沢していないけど、海苔は、オススメがあって…。
これ一度食べ出すと、他の海苔では物足りなくなってしまって…
いけないなと思って、今は一つグレードを落としたやつにしていますけどね。
みたいな話だった。
確かに、Twitterとかでも子供が海苔をおやつ代わりに食べるとか、それは意外に高いんだ、という話もぽつぽつ目にする。
そう、海苔って、意外と高い。
昔イザヤ・ベンダサンは『日本人とユダヤ人』で「日本人は水と安全はタダだと思っている」と喝破したが、
昭和の子供たちは、海苔と梅干しと家庭に常備されている煎餅やブルボンのお菓子やミカンはタダだと思っていた。
社会人になって、自分で買うようになってその値段にびっくりしたものだ。意外とするのね…
さて、それはともかくとして、そんなこと言われたら買うしかないじゃないですか。
ふるさと納税で出ていたので買ってみた。徳島の『大野海苔』である。
うーん。確かにうまいかも。味付けは絶妙で、なによりも口どけがよい。
上品な味だ。
……ただ、よく考えたら僕そんなに味付け海苔好きでもないんだよね（苦笑）
しかし今朝は卵かけご飯だったですが、海苔を適当に崩して入れると、なにこれうまい感半端なかった。
なるほど。確かにうまいわ。こういうことか。
ヤダ太っちゃう！！
＊ ＊ ＊
私も45歳。
大人になって随分たつが、どうやら、世の中には基本食材でさえもピンからキリまであり、こだわれば生活が豊かになる、人生観が変わりうる一品もあるのだ、ということに気がつきつつある。
20代の頃はなんでもよかったし、なんでも食えた。
しかし40代になると、食に関しては、量が入らなくなった分、質にどうしても目がいくようにはなるからね。
ただ、以前にも書いたが、うまいものを知ることは、諸刃の剣だ。
hanjukudoctor.hatenablog.com
うまさがわからないことや知らないことは不幸だが、うまいものしか受け付けなくなってしまうのは、もっと不幸なのだ。
うまいものはうまいものとしてありがたくいただき、しかしそれを定番にしない努力も必要であると考える。
栄耀栄華は幻。仮に一時いい暮らしができたって、晩年は生活保護になったりホームレスになったりするかもわからない。
食べるものにも事欠く有様、ということだってありうるかもしれない。
うますぎるものばかり食べるのに慣れてしまうと、多分あとでしっぺ返しをくう。
「これ一度しったらもう…」のパターンの食材はせいぜい数種類にとどめておくのが無難かもしれない。
