半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『組織の毒薬』

オススメ度 100点
いろいろハッとさせられる度 100点

組織の人間関係に悩むシリーズ。もう今週くらいでネタ切れですが…

この本はけっこう前に買って読んだ本。サイバーエージェントの副社長の書いたもの。
藤田晋社長の金看板の後ろで、地道に組織の地固めをしている人、ということなんじゃないかと思う。
社内向けに書いたコラムを本にまとめたもの、らしい。

別に体系だった総論ではないが、長年組織の中で統率してきたベテランの経験から来た言葉。
金言がかなり多いが、一度通読することをオススメする。同じような悩みはかならずあるであろうから。
ただし、サイバーエージェントであるから、アントレプレナーになれるくらいのポテンシャルの人材を、組織として統括しているわけ。まあ一人一人の能力についてはある程度の保証がある(といいつつ、多分たまにとんでもなく仕事できない人とかいるんでしょうけど…)。そして能力のない人は退場してゆく。
そういう組織の中の丁々発止であるので、もうちょっと小さい組織、よそに行けない人材が組織の中で毒を撒き散らす、みたいな、いってみれば『中年童貞』で描かれるような陰惨な状況は、また別のダークスキルが必要だろうなとは思った。

でも経験知から語られる組織人への本音の言葉は、かなり強く心に響きますよ。

以下、備忘録。こうやって抜き出してもピンとこないので、できれば通読してください。
・組織で仕事をする理由はひとえに「ひとりではできない大きなことを組織でやる」こと
・「憂鬱でなければ、仕事じゃない」(見城徹
・目標設定する時は思いっきり高い目標をたてて、一生懸命その目標に向かって走って達成することを意識
・ビジネスはマラソンのようなもので「長期的な成長」と「結果」が大事
・上司として評価したいポイントは「地力がついてきたか?」「視点が上がっていたか?」
・トラブルが発生した時は、まず正しく状況を把握し、ホウレンソウという基本的なコミュニケーションを徹底する
・トラブルが起こった時は「基本的にマイナスは取り戻せない」(被害を最小限に食止めたら、ある意味潔く諦め、評価を含めマイナスも受け止めてリセット)
・「うまくいく事業とうまくいかない事業の違い」は「気合い」(結果に対する執念)
・本当はどんな状況であれ思考停止をしてはいけない
・「考えること」「やってみること」どっちも大事だけどどちらを先にやるかといえば「やってみること」
・本質的には同じ話でも、たとえ話をすることで視点を変えることができる
・人は仕事をしていくうちに自分のやり方が確立していきますが、逆に凝り固まってくるとも言えます
・「コミュニケーションは飽きる」という前提に立つことは大事なことだと考えています
・一般的に優秀なプレーヤーからもう一段上のステージにいくには「自己否定を受け入れながら成長できるか」重要
・成果や評価は自分のタイミングではやってこない