半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『彼方のアストラ』

オススメ度 100点
女性の登場人物の胸のデカさが気になってあかんかった度 90点

ブックカバーチャレンジで誰かが取り上げていたし、ちょっと前に話題になっていたので、興味があったので、コミックスをKindleで購入し、面白かったのでアマゾンプライムでアニメも鑑賞。

おもしろかった。
伏線も含めて、どんでん返し、よくできている。

未来の高校生が、夏季研修みたいなやつをすごすために宇宙船に乗り込む。そして遭難する。
モチーフは、藤子不二雄Fの短編集にあった「宇宙船製造法」を彷彿とさせる。あと「11人いる!」ね。

11人いる! (小学館文庫)

11人いる! (小学館文庫)

という、古典漫画の焼き直しなのかなーと思ったら、ハードSF並みのきちんとした設定と考証。
後半、どんでん返しがあって、世界観がガラガラと変わるところが、特に白眉である。
SFのトリックとしては『星を継ぐもの』や『ファウンデーション』シリーズ並みに意表を突かれました。*1
いや、これすごいプロッティングだな。

キャラクターの背景とかの設定、小さな物語もよくかけている、プロッティングもうまい。
そしてSFとしての仕掛けもうまいし、五つの惑星をワープしつつ訪れるのだが、この惑星のそれぞれも生態系の設定も、よくできている。
しかも漫画・アニメとしてはあくまでポップというか万人受けするような作りで、作画はわかりやすい。
間口は広く、話は深い。
そして少年漫画としての基本線も外しておらず、友情・努力・勝利。で、読後感はあくまでさわやか。

* * *

アニメはアニメで、忠実に再現していて、よかったと思う。
最近はアニメ、漫画の再現度はかなり忠実だよなーと思います。
アニメ製作会社は余計なアレンジをしないよね。

ファウンデーション

ファウンデーション

昔は「銀河帝国の興亡」といって創元から出ていましたが、ハヤカワSFに。3巻までは記憶に残っていますが、その後も書き足されて一大スペオペに。うーんあまり覚えていないな…

これもSF超名作で、ロボコップみたいに、シリーズが続くと世界観は膨らむけれども、なんか大事なものを引き換えにした感じはあります。第3作くらいの『内なる宇宙』かなり好きでしたけど…

*1:というかこの二つをあげちゃうとトリックが類推できちゃうけれど