半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『最高の結果を出すKPIマネジメント』中尾隆一郎

オススメ度 80点
KPIのことを一から知りたい時には役立つ度 80点

最高の結果を出すKPIマネジメント

最高の結果を出すKPIマネジメント

実は3年前、自分の経営する病院で、部門ごとにKPIを作らせる、ということをしたことがあった。
部門それぞれに課題を自分たちで考えてもらって、診療の質向上のため達成目標を作ってもらったのだ。

みんなそれなりに作ってきたのは驚いた。
部署が掲げた目標で、達成できそうもない「絵に描いた餅」的な数字は、達成できそうなもう少しリアルな数字に直したりしたのもある。
結果的には、まあまあうまくいったと思う。

しかし、これはうちの職員たちがビジネスマインド溢れる状態であったわけではない。
基調として仕事熱心で患者思い職員が揃っているから。
今となっては、どうやって診療マインドをKPIに落とし込んでもらったのか、あまり覚えていないけれど、経営者としての初期成功体験だったと思っている。

今KPIの話をもう一度読み直してみた。
当時の自分はKGIとKPIの違いもあまりはっきりと峻別していなかったのかな?結構読んで「発見!」と思うことが多かった。
あんまり厳密に理論化できていなかったのに、なんとなく踏み出した感じだった。

KGI=Key Goal Indicatorは売上や収益
KPI=Key Performance Indicatorは事業成功の鍵、質的な向上を目指すための数値目標。
CSF=Critical Success Factor (最重要プロセス)

KPIはCSFの目標数値として提唱すべき。要素分解するとそんな感じ。

しかし当時の自分のDirectionを振り返るとKGIを持ってきた部署にはきちんとKPIっぽい目標を提案もしているんだよな…
ガッチガチのフレームワークに落とし込んでいたわけではなく、あくまで現場の業務ありき、がよかったのかもしれない。

当時僕はあまりKPIマネジメントシステムはわかっていなかったけど、
KPIは掛け声だけで、結果的にはちょうどいい程度の
目標管理になっていたみたいだ。
ビギナーズラックなのか、それとも、理論よりも現場勘だったからか。

今回KPIマネジメントを読み直して。
KGI×KPIで、質x量の掛け算をするのが、医療機関では正解と考えてもよさそうだ。

・KPIは景気動向などではなく自社の努力で変化できる変数を選ぶ
・即時的に見れる数字を選ぶ(数値化できない目標には意味がない)
・複数のKPIを同時にみることは不可能
・変数と定数をわける。
・KPIが目標に達しない場合の対応策を、可能なら事前に決めておく。