半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『鬼滅の刃』

オススメ度 100点
いやー、メジャーになっているものってやっぱりすごいのね度 100点

鬼滅の刃 18 (ジャンプコミックス)

鬼滅の刃 18 (ジャンプコミックス)

最近流行っているものについて、それなりにチェックをいれてはいるんだけど、漫画については、最近遠ざかっていた。
特にJUMPについていえば、ワンピースは乗り遅れ、そしていまだに乗り遅れたままだ。*1

そんな中、最近は『鬼滅の刃』が流行っているということを風の噂に聞いた。
読んでみる。

はっ!ついつい引きこまれてしまった。

導入こそジャンプのB級作品にありがちな雰囲気を漂わせていたが、あっというまにきっちりした世界観に引き込まれてしまうバケモノ作品になってしまった。「化けた」作品だと思う。

化けた理由の一つには、主人公のアツさがある。
主人公の竈門炭治郎と禰豆子の「献身」ぶり。
どちらかというとダークファンタジーの世界で、ゴレンジャーでいうとアカレンジャー気質の主人公のドストレートさに、ハマる。
浮世に身をやつす汚れた心の45歳中年の心も洗われて、ついつい「とうとい…」と呟いてしまう。

主人公が心中のフキダシで、弱い自分の心の声、そしてそれを鼓舞して頑張る姿が、とにかくもう、ただ、ひたすらアツい。

俺はもうほんとにずっと我慢してた!!
善逸を女の子から引き剥がした時も声を張ったときも
すごい痛いのを我慢してた!!
俺は長男だから我慢できたけど次男だったら我慢できなかった

には、僕も突っ込んだけどね。
そういうこと心の中でいっちゃうのが、主人公のリアルなところ。

* * *

私は一世代上のいわゆる「シラケ世代」というか、人格形成期が、物事を斜に構えて見る80年代(…ナノダ…ナンチャッテ!)だった。
ひねりとアイロニーに満ちたこの世代からすると、まがうことなき「アカレンジャー」。
正々堂々と皆の思いを背後に受けて活躍する主人公というのはあまりにも新鮮に映る。
*2
ただ、舞台となる大正時代っていうのは、明治・昭和のシリアスさよりも「大正デカダンス」っぽい洒脱さがあり、どちらかというと、1980年代の雰囲気に近いのかも…と思ったりした。

アニメもコミックの忠実な再現でよかった。丁寧に作り込まれていましたね。

*1:気がついたらすんげーボリュームになっていて、読むのがためらわれる

*2:例えば、ドラゴンボール孫悟空も、アカレンジャーっぽい屈託のなさで描かれるが、例えばブルマとかクリリンとかウーロンとかが「あいつ空気読まねえなぁーみたいなツッコミを必ず入れるところにその世代っぽさがある