半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『殺さない彼と死なない彼女』世紀末

オススメ度 80点
世紀末、て。度 80点

殺さない彼と死なない彼女 (KITORA)

殺さない彼と死なない彼女 (KITORA)

なんかで紹介されて読んだ。

うーん、そうですね。
R. D. レインの『好き?好き?大好き?ー対話と詩の遊び』と

好き? 好き? 大好き?―対話と詩のあそび

好き? 好き? 大好き?―対話と詩のあそび

ペイネ『愛の本』
ペイネ・愛の本

ペイネ・愛の本

を足して二で割ったできた代物が、ある種のデザートだとしたら、
それをコンビニスウィーツにマニュファクチャードした、みたいな感じ。

こういうディスコミニュケーションの中のコミュニケーションって、すごく難しくて。
診療の現場とかだと、依存症の患者さんで、医師のいうことと、患者の行動や思いが完全に噛み合わず、折り合わず。さりとて立ち去らず、みたいな感じってあるのだけれども、そういう時に、似たような感じになる。*1

これまでに人生に関わってきたいろんな人(患者さんも含むけど)を思い出させる本だった。
女性ならではの、関係性のノイズとシグナルを細やかに拾う、むしろHSP的に拾い過ぎて疲弊する。
そんなに僕は繊細なコミュニケーションをとれる人間ではないのだが、こういう繊細なコミュニケーションに共感してしまうのは、一体なんでなんだろうね。

今では45歳の僕自身は青年期の人格の不安定というフェイズから過ぎて遠い。
むしろ気になるのは人生の幕引きの方だ。
若い頃の色々は、今では遠くの山から聴こえてくる祭囃子のようなものに思えるのだが。

たまにこういうのを読むと、色々ともやもやといろんなことを思う。

*1:プライベートでは、最近はそういうコミュニケーションはそんなにはない。若い頃は結構あった。僕はメンヘラホイホイ気質……というか僕自身がかなり不安定な性格なんだと思う。平然と今の仕事とポジションでやってるけど、本当は向いてないのに我ながらよく頑張ってるぜ。