半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『人生を変える、お金の使い方。』

オススメ度 80点

人生を変える、お金の使い方。

人生を変える、お金の使い方。

換言すれば、あなたが美しくお金を使っていれば、あなたの人生も美しくなるということ

けっこうためになる話だったが、今ひとつ立ち位置がわからなかった。

筆者は、大学の時に本代に1000万の資金を当時、1万冊の本を読破した。
膨大な読書体験から深い教養が蓄積され、それが創作の源泉となった。
こういう言は、「有り金は全部使え」というホリエモンのエピソードにも似ている。
https://halfboileddoc.hatenablog.com/entry/2019/08/10/070000
自分に投資する意味でのお金は惜しむな、という、仕事人の自己投資の勧奨部分が、だいたい半分。
でも、自分の年収分程度の貯蓄はしておかないと、人生攻められないよ、という実際的な教訓も。
「「貯金」はもっともお金のかかる趣味で、最も無駄な趣味でもある」という皮肉は確かにむべなるかな。

あとは、社会におけるお金の様々な意味について、雑駁な人生論。
・お金はブーメラン。戻ってきた時には必ず人脈と人望の増減が生じている
・恋愛や友情において、あなたが振り回される立場でなく、振り回す立場になりたければ、あなたが断る立場になればいい
・金払いのいいクライアントは、従業員たちから例外なくバカにされて舐められていた。
・利益がでると社内で山分けするような組織では、お金でしか人が動かなくなる。大きな利益が出た場合にお客さまに還元した方がたくさんのお金となって還ってくる。
経営コンサルタントとして痛感したのは、会社がちょっと儲かったくらいで社員の給料を上げるべきではない、ということ
・「お金の問題じゃない」と叫んでいる相手は、お金で静かになる。
・天国から地獄へ突き落とされれば、相手は酷く傷ついて恨むものだ。だが、地獄から天国に上げると、相手は大いに喜んで感謝する
・どれほどあなたが運を高めても、たった一人の詐欺師と関わったために人生を台無しにされることがある。「ラクに儲かるおいしい話」を運んできた人とは二度と会わない
・圧倒的実力を持ち、なおかつ少し負けておくと、嫉妬も恨みもかわずにうまくいく。

ハードな環境でビジネスをしてきた人の、人生訓が多分に含まれるので、結構ためになった。
特に、「安易に給料を上げるとあとで感謝もされない(むしろあとで下げなきゃいけない時に恨まれこそする)というのは、自分の「甘さ」も含めて自戒すべきだと思った。
(僕はすぐ職員に還元しようとして周りに止められてしまう人なのだ)
金で人をスポイルすることは簡単なのだろう。
資本論やピケティの言は、あくまで理論経済学なのであって、経済のリアルな現場では、被雇用者に資本を配分することは、うまくいかないようだ。
それとこれとは、別。ということなのだろうか。
確かにリスクを取らなくして高収入というのは難しい話だとは思う。