半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『金融排除』橋本卓典

オススメ度 80点

金融庁と銀行との関係性の変化については、以前、
捨てられる銀行

捨てられる銀行 (講談社現代新書)

捨てられる銀行 (講談社現代新書)

を読んで、なるほどなあと思った。
これは、森金融庁長官の改革についての話だった。

バブル崩壊後の金融が極端に冷え込んだ時期、
融資の貸し剝がしというのが頻発したが、担保がなければ与信が通らないのが、銀行では当たり前だった。
しかし、そもそも地域経済を振興しないと、地方銀行に意義はない。単に担保をとるだけだったらサルでも(AIでも)できる。

さらにいうと、地銀と信金は、その出自から根本的に違うので、信金=クレジット(与信)ならではの信用保証と融資のスキームを作らなければいけない。という話だ。

金融庁森長官に代わってから*1、いろいろな制度の改変が行われ、地方金融については結構かわったんではないかなあと思うし、これについては、西日本の地方銀行がかなり頑張っているのは頼もしいことだ。地元の広島銀行も、かなり存在感を発揮していることは、こういう本で知った。

その意味では、「半沢直樹」の世界は、ある種ちょっと古い時代。
あのステレオタイプの銀行業界のやり方はすでに古く、世の中はそこからそれなりに進んでいる。

*1:先ごろ退任されたと思うが