オススメ度 70点
これ俺!と思ったら 100点
- 作者: ジェフ・シマンスキー
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2013/11/07
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
『完璧主義者』という言葉で定義される人たちについての本。
「あなたって完璧主義なのね」と言われることは、褒め言葉なのか、それともけなされているのか?
- 完璧主義は輝かしい成功の源であるのと同様に 、ストレスや不安 、人間関係の軋轢の原因になる
- 度を越した完璧主義はしばしば 日常生活や仕事 、人間関係 、自己管理に支障きたし、有害である。
しかし健全な完璧主義と不健全な完璧主義の違いはなんだろうか?
どれ一つとして同じ完璧主義はないし、人間は健全な完璧主義と不健全な完璧主義の混合物だという理解をしたほうが興味深く有効である、というのが筆者のメッセージ。
「完璧主義」は裏を返せば、強迫性障害(OCD: Obsessive Compulsive Disorder)ということらしい。
多分、ハイキャリアの人たち、数千円するこの本を手に取る層の人たちには、多かれ少なかれ強迫性障害の様相がある、という前提でこの本はかかれているようだ。
読んでいて、私も「これ、僕のこと?」と思わされるような描写があった。
完璧主義的な要素は、うまく折り合っていけば、すばらしい成果の原動力になる。うまく折り合えないと、能力やモチベーションの割に成果をだすことができない。
それでは、一体どのように自分をコントロールしていけばいいのか?
について、後半は、がっつりと具体策が盛り込まれている。
ワークシートみたいなやつに書き込み、気づきを得られる仕組み。
タネを明かせば、認知行動療法的なアプローチそのもの。
限定されたIssueに対してなので、紙面でも認知行動療法がかかりやすいんだと思う。
「プラットフォ ール効果 」という言葉は初めて知った。
人は「できる人」が、失敗したり弱みを見せると、好感を持つ…という現象のことだ。
「できる人」というのは、一見スキがなくとっつきにくい…というイメージがある。
なので、失敗したり弱みを見せると、「この人にもそういうところがあるのだ」と思い、親しみがわき好感度が上がる。
翻訳にありがちな読みにくさがあるが、完璧主義というか、非効率なまでに自分の手順・行動様式を崩せないなど、身に覚えのある方、日本人向けにわかりやすくいうと「A型っぽい」行動の人、は一度手にとってみてもいいかもしれない。
この本は、多分読者を選ぶ。けど、一部の読者にとってはとても有効かもしれない。
左バッターに対するワンポイント・リリーフみたいなもんかもしれない。