半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

『ハイスコア・ガール』10(完結)『狭い世界のアイデンティティ』

おススメ度 100点

色々あって、一時期連載も途絶えていたこの作品、堂々の完結。

笑ってくれや
日高…

俺の…
人の心に鈍感だったツケが
まわって
きちまったんだ

押切先生、お世辞にも絵がうまいとは思えないが、氏の描く女性には、彼が女性に対する憧憬のような情念が込められているのだろうか、大変に魅力的である。
とりあえず色々あったストーリーは、最後、斜に構えることなく堂々と愛を受け止めて完結。
こんなにストレートな終わり方なのか、と驚きさえした。
ここまでくる道のりは並大抵の困難ではなかったと思うので、
いやほんとよかったっすよね押切先生、といいたいですね。

個人的には主人公のお母さん、大野晶の姉が好き。

『狭い世界のアイデンティティ』3

この漫画も気がつくと3巻まで進んで、ちょっと面白い。
これは、漫画を題材にしている漫画。
漫画×格闘、いや、リアルバウトを目指してるわけじゃないから、漫画×格闘ゲームってことか。
だから読み味が地続きな感じなんだね。

出版業界のタブーとか露悪的な部分を出しつつ、フィクションとノンフィクションのあわいを、フィクション側に振り切りつつ、話は進む。
これ、編集部とか、漫画業界ではめちゃ受けているんだろうな。
燃えよペン』以上に問題作だけど、まあ面白い。
あと、二線級の漫画家に対する描写が容赦なさすぎ。