半熟三昧(本とか音楽とか)

半熟ドクター(とはいえ気がつくと医師20年選手だけど)の読んだ本とか音楽とか

2050年衝撃の未来予想

おススメ度 80点
ディストピア度 100点

2050年 衝撃の未来予想

2050年 衝撃の未来予想

世界をまたに活躍し、かつ見識も広い苫米地英人さんの本。
未来はどうなる? 的な話。

結局格差がどんどん拡大して、一部の超富裕層とそれ以外に二極分化していく。
超富裕層の貴族化が起こる。あとの人間は奴隷。

アメリカでも日本でも資本主義と民主主義の相克が起こっている。
カジノ法案(IR)法案と、TPPは、民主主義が資本主義に完全に屈した象徴的な出来事であるらしい。

* * *

苫米地氏、警世家として、言っていることは間違ってはいないんだろうけど、どうもその言は陰謀論的な世界観にみえてしまうのはなぜだろう。

僕らの知らない事実もたくさん知っているし、アメリカにいるからこそ見えてくる景色もあるだろう。
ただ、批判的に読めば、あちこち論理矛盾もある。

そこまで閉鎖的な超富裕層が、一義的に世界が動かしているだろうかと。
実際、アメリカの金融資本を牛耳っている伝統的な一団(これはかなり閉鎖的であるだろうとは思う)だけではなく、イギリスの指導層、ドイツ、ロシア、中国にも超富裕層というべき指導層はいる。
GAFAの人達も、こういう旧世代のエスタブリッシュメントと別に勢力争いをしたりはしない。

そうした人たちは、本当に世界の覇権を争い、民衆を奴隷化しようとしているのだろうか?

米国にいるWASPの指導層、金融資本家という、フリーメイソンのような見えない地球の影の支配者が操る未来というふうには僕はならないと思う。
閉鎖的で一致団結したアメリカの資本家たちが世界制覇をめざし、我々庶民を奴隷化しているのではないのだと思う。

ただ、大規模資本家が、グローバル規模の企業活動を「健全に」おしすすめる結果として、世界は一握りの人たちが多くの資本やリソースを握る、超格差社会になる。
それは、そういった陰謀論的な、悪意がなくても、起こるのだ。きっと。

成功し勝ち得たグローバル人材は、皆資本主義礼賛で、閉じた集団ではない。
思想的には摩擦がない。
なので、オープンな集団でも思想的な合意が形成されているから、集団は壊れない。
他の地域の富裕層と争ったりもしない。
そもそも争う対象ではないのだ。

ビル・ゲイツ財団とかは、そういう格差容認社会に対する、ある種のアンチテーゼなのかもしれないとは思うけど。