おすすめ度 60点 意外と見直したぜ度70点 序盤の書き出しがまずい度80点。
生産性向上だけを考えれば日本経済は大復活する シンギュラリティの時代へ
- 作者: 三橋貴明
- 出版社/メーカー: 彩図社
- 発売日: 2018/02/16
- メディア: Kindle版
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よくYoutubeとかで、「陰謀論」みたいな怪しげなCMをうっている三橋貴明氏の著作。
興味はあったけど、そういう情報商材を買うのはどうかなーとか思ってたんです。
これは日替わりセールかなかんかで安くなっていたので買ってみた。
で、感想。
読み始めの滑り出しがやたら悪かったが、その後はなかなかいいこというてるやん!
ただ、題名でテーマの半分は言い尽くされていると思う。
基本的にはリフレ派の考え方。
GDPの話から、デフレ、政府負債のあたりの概説をまず行うのだが、ここの部分の説明はお世辞にもわかりやすいとはいえない。
(難しい、というよりは言い方が言葉足らない感じがする)
政府債務が増大しているからといって、増税したり、公共投資を控えるのは、経済をシュリンクさせるし、財務はすでに健全化しつつあるのに、財務省は増税ありきでその事実を秘匿する、という論説。まあこれには反対はない。
生産性は売上÷労働時間なわけなので、これから人手が減ってくるので、設備投資をして売上を維持できれば、分母の人数が減る。だから生産性の値はさらに上げられるだろう、という主張。むしろ技術に投資をして生産性をあげないと終わり、ということだ。
移民とか、80〜90年代に人件費の安い海外に工場を移転する、という解決法は、設備投資などによる生産性向上より安易である。
バブル時代以降の海外工場移転は結局自分たちの首をしめただけだったということ。
ただ、こうした生産性向上に、AIがかかわってくると、AIだと、必要な人員が極限まで減らせる可能性が出てくる。
資本家が労働者を雇用して、という従来の経済の原則が、無限に働いてくれるAIのおかげで、資本投下すれば無限の労働力をえられる時代となり、おそらく全く別の考え方が要求される時代になるだろうと。
非常に得心のいく論調でした。うさんくさいおじさんじゃなかった。