- 作者: 比古地朔弥
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2013/10/16
- メディア: Kindle版
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これは、はてなダイアリーの漫画皇国さんの記事をでインスパイアされたのがきっかけ。
mgkkk.hatenablog.com
これは、とてもきちんとした書評です。
田舎の中学に、都会から謎めいた無口の美少女が転校してくる…
というところから話は始まるけども、実は……
みたいなやつね。
* * *
まあそれはともかく、新装版なんだと思いますが、装丁は中身以上にいいですね。
中身は正直ちょっと古さの残る絵柄。装丁は、むしろオシャレ感さえある。
ボサボサ気味のゆるふわパーマは、多分作者の性癖ですね。
他の作品でもヒロインこのタイプ多いみたいだし。
ファム・ファタル感ある奔放な女性に、次々とフツーの男たちが自分の情欲に負け社会規範を逸脱して性交してしまう1巻。
因習的な家庭に閉じ込められ、型にはめられようとしてあがく、2巻。
3巻になってくると、物語は急展開、収束するとみせかけて展開。
奇妙に心揺さぶられました。結局母は強し、というところでしょうか。
そうですね、話としては中学生のズリネタのような展開なんですけれども。
ただのエロ漫画ではなく、確かに文学的な香気があるのは、なぜなんだろうか。
そもそも、エロ漫画と、文学というのは峻別できるんだろうか?たとえば、AIとかで。
なんか、AIに古今東西のそういうやつをかたっぱしから食わせたら、やさぐれたAIがでてきて、
「そりゃアレよ。結局、エッチなシーン以外のところで、生とか、死とか、高尚っぽいやつをふりかけたら、文学よ!」
とでも吐き捨てそうな気がします。
でも、中高年のときとか、エロ漫画とかよく読みましたけど、エロ漫画だって、意外に非エロ的な部分、衒学的なこと書いてたりしますやん。
ま、「射精のあとの賢者タイム」に過ぎないのかもしれないけど。
そう、射精のあとの賢者タイムと、真に哲学的な言説って、どうやって区別できるんだろう?
* * *
ところで、こういうのって、主人公の中学生男子に共感するはずだけど、自分の娘以上に年の離れた子(なおかつ13歳!)に手を出す中年男性の側に、年齢も属性も近寄っていることに愕然とします。歳をとるってつらいわ。ほんま。
彼岸の人
- 作者: 比古地朔弥
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2015/04/24
- メディア: Kindle版
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うげー。